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伝統栽培

まるで日本庭園!?たけのこ畑一面に藁がびっしり!【京たけのこ伝統栽培】

10月中旬。

来年の旬に向けて、たけのこ職人は休みません。

美味しいたけのこがすくすく育つように、

たけのこ畑を最高のコンディションに整えなければなりません。

 

敷き藁

竹切りを終えたあとは、「敷き藁(しきわら)」作業を行います

敷き藁とは、その名の通り、たけのこ畑一面に藁を敷く作業です。

以下の写真をご覧ください。

 

【Before】※4月中旬のたけのこ畑

 

【After】※敷き藁後

 

注目すべきは地面です!

全然違いませんか?

 

敷き藁後は地面が全く見えません。

たけのこ畑一面に藁を敷き終われば、

まるで日本庭園のような綺麗な風景が広がります。

(この季節のたけのこ畑は過ごしやすい気候もあり最高です!

夏は暑いだけじゃなくて虫も多く最悪でしたが・・・笑)

 

なぜ敷き藁を行うのか?

敷き藁を行うのは、3つの利点があるからです。

①柔らかい土作り

たけのこは地中から地上に向けて真っ直ぐ成長するものです。

しかし、土が固ければ真っ直ぐ育たず、曲がったいびつな形の筍になってしまいます。

そこで敷き藁を行なった上に土を被せることで、土を柔らかくします。

この作業は「土持ち」と呼ばれます。(別記事作成中)

実際、土持ち後のたけのこ畑はカーペットの上を歩くようにふわふわな地面になります。

また、藁は腐った後にも土の栄養素として活躍するため、

敷き藁は非常に重要な作業なのです。

②保温

たけのこ畑は山にあることから冬場はかなりの寒さになります。

そんな厳しいシーズンを少しでも良い環境で超えるためには、土の温度が重要になります。

敷き藁を行うことで、土の温度が外に逃げにくくなり保温効果があるのです。

 

③保湿

たけのこに限った話ではありませんが、作物の成長には水分は必要不可欠です。

中でもたけのこは非常に繊細は作物で、水分が少なければ味も食感も悪くなってしまいます。

そのような状況を回避するための保湿対策として敷き藁を行うのです。

 

 

敷き藁の具体的なやり方は?

敷き藁は作業内容としては非常にシンプルです。

基本的には地面が見えないよう、たけのこ畑に藁を広げていく作業です。

もちろんたけのこが成長しやすい部分を優先的に行います。

敷き藁を行うために、最初に行うことは「藁の配置」です。

たけのこ畑は非常に広いです!

そしてもちろん山ですから、傾斜の厳しいところもあります。

そのため、ある程度まとまった状態の藁を一旦たけのこ畑中に散りばめて配置します。

 

写真のように、

ロール状にまとめた藁が転々と置かれています。

その数なんと、600ロール!!

びっくりなのは、600ロールでも足りてないそうです。

全面にしっかり敷き藁を行うとなると、700ロールは要るそうです。

(600ロール配置するだけでも、十分重労働ですよね。。。)

 

実際、敷き藁を行なっている様子は以下です。

 

これを広大なたけのこ畑全体に行います。

何日かかるんだ、、、とため息が出そうになりますが、

なんと10日前後で行なってしまうそうです。スピード感にびっくりです!

 

農業は自然との戦いでもあります。

天候ももちろんですが、動物による被害も後を立ちません。

聞いてびっくりだったのですが、タケノコ職人によれば、

イノシシや鹿はかなりの確率で遭遇するそうで、たまに猿も見かけるとのことでした。

この取材に行った日も、イノシシがたけのこ畑を荒らした後だったようで、

しっかり形跡が残っていました。

 

イノシシはタケノコはもちろんのこと、

地中にいる昆虫や虫などを捕食するために土を掘ってしまいます。

せっかく敷き藁を行なっても、

このような状態になってしまえば、またやり直しです。

これらの被害を含めて10日前後で敷き藁を行なってしまうのですから驚きです。

 

普段何気なく目にするタケノコですが、

京たけのこはこのような繊細な管理の上にあるからこそ、

名産と言われているんだな、と改めて感じることができる取材でした。

 

敷き藁の解説動画

 

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